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独断と偏見、散文詩

【インタビュー】シンス、積み重ねによって実現させた最初のタイトル

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常日頃“SINCE GO UP!”を叫んでいたら本当に高く上がった。

 

初のSHOW ME THE MONEY女性ファイナル進出者、初のSHOW ME THE MONEY女性準優勝者、そして、最初のヒップホップレーベルの女性トップになる人物、男女総合で最高のラッパーとなる人物、それがラッパーのシンスである。

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トレンドと自律性、そして世相に対する辛辣な批判の場でありながらも、とりわけ女性が排斥されてきた韓国のヒップホップシーン。

Mnet  SHOW ME THE MONEYが10年放送される間でも女性ラッパーは常に助演であり、言うなれば「見逃してあげる」無視の対象になりがちだった。もちろん女性ラッパーの出現が男性に比べて遅く少なかったためもある。しかし、この自律性とトレンドが積極的に保障されるヒップホップの音楽シーンにおいて、女性ラッパーに機会と配慮が足りなかったのも事実だ。

アンプリティラップスターで大活躍したラッパー達がSHOW ME THE MONEYに出演するとエンターテイナーであることだけを求められ、すぐに脱落した姿が容易に思い起こされる。

女という性別に対してレッテルを貼る男性たちの差別的視線はテレビで観ていても露骨に感じられた。

そのため、膨大な時間の経過の中、SHOW ME THE MONEYは事実上、男性版ラッパーのサバイバルと位置付けられても良いと思った。

金城鉄壁のようだったショミの男性向き的な雰囲気は、10年を経てやっと小さいが決断力が凝縮されたシンスによって崩された。シンスは彗星のように登場し、一気に注目を集めたラッパーではない。シーズン4以降、シーズン10までの6年間、ショミに挑戦してきて、段階的に上昇してきた。そして、5シーズンを通して出演シーンカットという試練を乗り越え、とうとう準優勝というタイトルを手にした。

シンスは自分の存在と音楽を証明するために、決して早く寝たり、遅く目を覚ましたりすることがなかった。夜遅く生活のためのアルバイトが終わったら明け方近くまでラップの練習に励んだ。「誰にでもいつかチャンスがある」という気持ちで自らを励ました。「格好いい人生を歩む人」になるために、真っ直ぐな心で精進を重ねた。そんなシンスはラップでは誰も無視できない実力と、周りの人を惹きつける包容力まで兼ね備えた「格好いいラッパー」になった。シンスがさらにすごいのは、誰も性別で彼女を判断できないように何の隙も見せなかったという点だ。自分の武器をひたすらラップの実力だけに集中させ、しっかりとした防御力を構築してみせた。

シンスと向き合った時、そのオーラを一気に感じた。 そして確信した。SHOW ME THE MONEY初の女性準優勝というタイトルは、彼女が成し遂げるタイトルの始まりに過ぎないと。

 

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SHOW ME THE MONEY初の、女性ファイナル進出者であり初の準優勝者となりました。

周りの方が女性初という言葉を言ってくれていますがそれに意味を置くというよりは、私が準優勝したということに意義あると思っています。だから本当にありがたく思っています。SHOW ME THE MONEYが始まり、ネックレスだけもらおうというのが目標だったんですが準優勝という思いもよらなかった結果になって本当に感謝しています。

 

チーム選択の時、ラブコールが多くて 選ぶのが大変だったと思いますがココチームを最初から念頭に置いてたんですか?

初めからココチームに行こうと思っていました。 1次でゲコさんにネックレスを頂いた時からそこに行かないと、と考えてミッションを遂行しました。お二人は私を望んでいるのだろうかと心配していましたが、幸いにも喜んでくれました。

ゲコさんがラップをする方法や歌詞の書き方、観客との呼吸方法、そして舞台経験についてたくさん教えてくれましたが、結論は「とにかくたくさんやってみる」でした(笑)本当にたくさん手伝ってくださいました。コードクンストさんの、私に合うビートの解釈力も本当に素晴らしかったです。そもそもまずコードクンストビートで作業するということ自体が光栄でした。

 

プロデューサーに対する信頼が非常に厚いんですね。 2人の励ましの中で最も力になった言葉はありますか?

スジンは上手だから」という言葉です。 私も自らを信じようとしますが、揺れる時があるんですよ。作業が上手く行かないたびに「スジンは頑張っているから、 あまり縛られないで」と言ってくれました。番組中でコードクンストさんが私に対して 「ショーミーザマネーの主人公になれる」と言った時も本当に嬉しかったです。いつも落ちてばかりいたSHOW ME THE MONEYでしたから。

ゲコさんに初めて評価された時も、現場で 「鳥肌が立った」と言ってくださって 心の中で本当にすごいと思いました。お二人が私に言った信頼の言葉が本当に力になりました。

 

SHOW ME THE MONEYに出演して 成長した部分もありそうですね。

これまでやってきたことと全く違うことはしませんでしたが、プロデューサーの方々と話し合いながら、私が一番うまくできることをビルドアップすることができました。そして、多くの公演経験を通して成長した部分もあります。コロナ禍では歌える場所がなくて全く公演できなかったのですが、今回の機会によって舞台経験を積むことができましたし、アーティストとして、本当にいい経験をしたと思います。面白かったし、オーディエンスをどう誘導するのかゲコさんを見ながらたくさん学びました。そして自分自身をもっと信じるようになりました。私の音楽が多くの方々に届いているのを見ながら好きな音楽をずっとお聞かせできたらいいな、と思いました。SHOW ME THE MONEYを通じて、シンスというアーティストの基盤が作られたようです。私という人間の音楽が愛される可能性があるということを確認しました。 

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SHOW ME THE MONEYで多くのステージに立ちましたが、一番記憶に残っている曲は?

すべての舞台に愛着がありますが、個人的には決勝の1次でのUPが一番気に入っている舞台です。何かメッセージ的なものもそうですし、私はいつも「シンス·ゴー·アップ」と叫んでいるのですが、その言葉の意味を強烈に表現できたのではないかと思うのでよかったです。

 

これまではいつも編集されてしまっていたけど、放送でご自分の姿を初めて見たじゃないですか。 面白くて不思議だったと思います。

1回目の放送を見たんですが、目があんなに強いとは知りませんでした。 殺気がすごい(笑)食い荒らしそうな目つきでした。正直、格好いいと思いました。大体、私らしく撮られていたと思います。 放送を見て、無理やり作った姿というよりも私らしかった気がして面白かったです。

 

SHOW ME THE MONEY7回生を経るというのは簡単ではなかったでしょうね。

Show Me The Money4・5・6・7・8・9・10に応募しました。シーズン4、5の頃は準備して出場したというよりはただ一度挑戦してみただけで準備をして出場したのはシーズン6以降からでした。 振り返ってみて、今になってよかったと思います。その時は注目されるほどの水準でもなかったんです。今になってやる時が来たからやらなきゃ!とやり遂げた感じです。

未熟さを悟って成長して、チャンスをモノにしたのが今の結果に至った理由だと思います。実は途中で公務員を志したりもしました。25歳の時、父親に「公務員ではなく音楽をやってみたい」と言ったら家から追い出されました。辛かったです。家もなくて友達の家で暮らしながら意地を張りました。成功して、お父さんに必ず見せてやるって。いざソウルに来たのですが、家賃や基本的な生活をすることが簡単ではありませんでした。その中で音楽もうまくいかなくてさらに大変でした。苦しいけど休んだらお金を稼げないから我慢に我慢を重ねました。それでいつも心中には「今年まで」という言葉がありました。今年もそうでした。

 

SHOW ME THE MONEYで見せられる姿は限られていますよね。シンスがやっていて、そしてやろうとしている音楽の方向性が知りたいです。

シンスの人生をそのまま盛り込んだのが私の音楽です。人生を見つめる姿勢や経験したことを主に音楽で表現します。シンスの音楽は、すなわちシンスの人生であると言えます。 細かいジャンルやスタイルあえて一つにこだわらず、表現したいムードやテーマに合ったビートを探して魅せるスタイルです。私の人生のメッセージを音楽で伝えながら、たくさんの人に知ってもらって共感を与えたいです。

 

「シンスゴーアップ」を重ねていく上でこれからの人生について覚悟があれば。

誰にでもチャンスはあると思います。そのような気持ちで自らを慰めたりもしました。結局止まっていたらどうにもならないですから。ただ、10年後にはものすごく定着したハイクラスのアーティストになりたいです。ヒップホップシーンでは影響力があるほど認められる。ディープフローさん、ゲコさんのように実力と生き方を同時に認められる姿で。単純にアーティストとしては「シンスは、シンスらしく上手だ」という言われたいです。生き方が格好いい人になりたいです。