ABLAXAS
いやはや…
ジェボお兄様やばすたじゅカムバ、ブロビ・My Zone公開と、胸の高鳴りが止まらない忙しい日々が続く。
もちろん、防弾少年団『WINGS』にもときめかされ続けていて正気じゃないです。やっと自分の中で消化出来てきたかな…という感じ。先週動悸が止まらなかったよね!!!!
10日0時は固唾を飲んでこのMVの公開を待った。
第一印象は、結構解釈が難しい曲だなぁと思いました。『FIRE』のようなとにかくDOPEな曲ではなく、ジミンちゃんのセクシーなサビやほそくくんの「まにまに~」が、割と奇をてらった感じというか。そして何よりアダルトな雰囲気がゴテゴテで、MVの中のドラマ色が濃くて、うん、なんか少し聴いただけでは咀嚼できないような曲。
そして『WINGS』全体は、『피 땀 눈물 』に始まり、メンバー各自のソロ曲が連なり、おなじみのサイファーやカバー曲『Am I Wrong』、ファンソング『21세기 소녀』などが収録されるという豪華かつ斬新な構成に驚かされる。メンバーソロ曲ってグループによってはハズレ(失礼)があるけどさ、ばんたんはおのおの個人技が高すぎて何も言うこと無い。。
このVアプかぁいかったな~
で、音源だけでも頭ボーーーン状態だったところに、13日のM contdownで完全ノックアウトされました。
何がヤバイかって、この曲順ね…。
3曲のやらせてくれるというMカのばんたん重用ぐあいも去ることながら他のアーティスト挟みながら、こう来るとは…
21~では溢れんばかりの愛嬌を、Am I Wrongは流行のファンキッシュな曲をばんたん風にかっこよく楽しく魅せてくれる。
そうやって温めておいた舞台に、피 땀 눈물 の少しダークでセクシー・今までの明るい少年らしさを封印した妖艶な世界を投下!!!!!!!!!!!!!!
殺す気か…殺す気なのか…。いやコマオコマオコマオスムニダ!!
なんか今回、1周というか2周ぐらい回って、グクがいいなぁと思っています。ググ推しの感情が止まりませなんだ。
さて、ちょっと興奮気味なのを抑えましょう。Dear自分
この『WINGS』は、ヘルマン・ヘッセの「デミアン」という作品をモチーフにして構成されているそうで、そういう出典とか元ネタ探りが大好きなタチの私は、さっそく読んでみた。
今、ARMY達が買いあさって売れてるんじゃないの???
ばんたん関係なくとても良い作品でした。ヘッセ推せる
深く理解しようすると、ヘッセがこれを書いた第一次世界大戦前夜の政情や、ドイツにおけるキリスト教的思想や、旧約聖書・新約聖書にあるエピソードなど、色々掘り返したい事案が出てくるので難しいんだけれど、そういったことを理解していなくとも胸に突き刺さる少年の成長物語だった。成長…って一口に言うと少ししっくりこないかも。
『WINGS』そしてタイトル曲・「피 땀 눈물」のテーマがたしか、「少年、誘惑と出会う」だった。今回のカムバで『花様年華』の無垢でひたむきな少年のイメージからの脱却を図るためにこの「デミアン」の世界をモチーフにしたというわけらしい。
「デミアン」の主人公・ジンクレェルは10歳にして、世界は”ふたつの世界”で成り立っている実感を持っている。ひとつは、愛情あふれる父母や敬虔な生活がある彼の身を置いている世界。もう一つは、犯罪や貧困、姦淫がうずまく彼とは関係がないがすぐ身近にある醜悪な現実世界。
ジンクレェルは「明るい」世界に居ながらも、もう一つの世界にも誘惑されている。そして嘘をつくというたわいもない罪から、大きな苦悩を抱えるようになる。
要するにジンクレェル君は不良(もう一つの世界)に憧れて、不良にいいとこ見せたいがために「リンゴを盗んだ」なんてワルぶった嘘で虚勢を張ったらそれを逆手にとられ、不良にゆすられた。
彼はジンクレェルを苦痛から救いだしてくれる。そして、ジンクレェルが思っていた”ふたつの世界”について新しい筋道を立ててくれる。さらに後年、彼の母・エヴァ夫人との交流もジンクレェルに大きな影響を与える。
そしてデミアンは年を重ね、物語を通して自分の思想そして自我を作り上げていく。
「神的なものと悪魔的なものは融合する」(中略)
ーーぼくらはなるほど、あがめる神は持っているが、しかしその神はたんに、世界の勝手に切り離された半分を表しているのにすぎない。(それは公式の、ゆるされた、「明るい」世界だ。)しかし全世界をあがめることができるのでなければ、しようがない。つまり、ぼくらは、同時に悪魔でもあるような、そういう神を必要とするか、または、神の礼拝と並行して、悪魔の礼拝をもはじめなければならない。ところで、そうなると、アブラクサスは、同時に神でも悪魔でもあるという神なのだ。
作品の中盤、アブラクサスという神の存在をジンクレェルは知るのだが、この、アブラクサスが『WINGS』の中でもキーワードになっているようだ。
「피 땀 눈물」のMV中でジン君が巨像とキスをするけれど、あれはアブラクサス、つまり善と悪を共に内包する神・その世界そのものに誘惑されて、接触したことを表現しているのではないだろうか。あとは、作品終盤にジンクレェルがおそらく空想のなかでデミアン(エヴァ夫人)とキスをするシーン(とても私、そこが美しくてすきなんだけれど)もオマージュされているのかも。
そのあとの翼をもがれたテテちゃんは、、何なの??笑
順番が狂うのだけど、ジンクレェルとデミアンが初めて出会ったとき、デミアンはカインとアベルの話をする。実はただ、カインが強者でアベルが弱者で強いものが弱いものに勝っただけなんだよ、とカトリックにすれば異端教義になるものをジンクレェルに教える。
この世界に生きる限り、だれしもが時にカインでありアベルなんだと。
ばんたんはアブラクサスという神のもとへ飛んでいくために殻を破った。そのすがたカインに似ているのかもしれない。
さらに極めつけはこの一節。
「鳥は卵からむりに出ようとする。卵は世界だ。生まれようとする者は、ひとつの世界を破壊せねばならぬ。鳥は神のもとへ飛んでゆく。その神は、名をアブラクサスという。」
「デミアン」自体面白くて、かなりはまってしまったけれど、このアブラクサスも 大変興味深い。調べてみると、
ABRAXASの7文字は,七つの光,または数理的に365を意味し,紀元2世紀のアレクサンドリアに在住したグノーシス派のバシレイデスBasileidēsによれば,この宇宙は365の層をなす天によって構成され,その最下層の神がアブラクサスであって,地球や人類を創りだし,七つの属性によってこの世を支配している。
なんて一節が。7つの光…
カインどころか神になることを目指しているのかばんたん…
とても散文になってしまいましたが、ソロ曲も含め、『WINGS』はかなり巧みに「デミアン」の要素がちりばめられているということに感動した次第です。デミアンもある意味青春物語のひとつだけれど、ダークな世界とばんたんの出会いを上手く繋げていて『花様年華』からの脱却は大成功なのだと思う。
大人っぽくカムバするために練られた戦略とはいえ、凝ってるなぁと関心するばかり。
「デミアン」のストーリーになぞらえながら、メンバー君達各々の個人的エピソードを盛り込んだソロ曲も素晴らしい。
この訳つけた方は全曲分作ってくれています。
涙なしに観れない…
彼らの血と汗と涙のにじむ努力で、これまた世界的大ヒットを飛ばしている様子。国内チャートはオールキル、日本のオリコンはもちろん、UKチャートやビルボードに食い込む勢いだってね。。
どんどんチケット取れなくなるね(泣)
どんどん大きくなっちゃって少し寂しいけど、ヌナは草葉の陰から応援し続けます…
ばんたんについてまとめてスッキリしたので、次はジェボムをチェックしに行かなきゃ~~~~♡
追記
ぴたぬんむるのMVを初めて観た時、パゾリーニの「ソドムの市」を想起した自分はきわめて不謹慎だと思う。